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腋臭・多汗症
反転剪刀法

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腋臭・多汗症

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はんてんせんとうほう

反転剪刀法

汗腺を直接取って腋臭を治す!

腋臭(ワキガ)は適切な治療を受ければ解消させることができます。勘違いしてはいけないのは体臭と腋臭には違いがあるということ。体臭は食生活や生活週間を見直したりすることでかなり軽減できますが、腋臭の場合はそうはいきません。腋臭で悩んでいる方にとっては切実な問題ですから積極的な治療をお勧めします。

ここでは腋臭の手術『反転剪刀法』の実際の手術方法、術後の経過・過ごし方、反転剪刀法の副作用や手術費用について詳しくご紹介いたします。

腋臭を根治する唯一の治療

剪刀法

腋臭の手術『反転剪刀法』は、皮膚の中に無数にある汗腺の一つ「アポクリン汗腺」を直視下で取り除くことで腋臭を根本的に解消する手術です。具体的には、脇の下の汗腺(アポクリン汗腺)がある範囲の皮膚を薄く剥がします。そうして剥がした部分の皮膚をひっくり返すとアポクリン汗腺が丸見えの状態になりますので、後はひたすらハサミでアポクリン汗腺を一つひとつ丁寧に取り除くだけです。

目視下で汗腺を丁寧に取り除きますのでその効果は劇的。しかし、手術が雑であったり、汗腺の除去が不十分だとその効果は著しく低下しますので、丁寧に手術をしてくれる医師、クリニックを選ぶことが結果に影響するということは忘れないで下さい。

反転剪刀法の効果

反転剪刀法は直視下で臭いの原因「アポクリン汗腺」を取り除きますので臭いに対し劇的な効果が認められています。

臭いを取り除く脇毛の永久脱毛脇汗の減少

脇汗を作り出す汗腺はエクリン汗腺です。エクリン汗腺はアポクリン汗腺よりも浅い部分にあるため反転剪刀法では同じように取り除くことはできませんので脇汗についてはワキボトックスがお勧めです。

反転剪刀法の実際

反転剪刀法の実際の手術方法、術直後の状態や完治するまでの経過、クリニック選びのポイントについて詳しくご紹介しましょう。

反転剪刀法の麻酔について

反転剪刀法の標準麻酔は「局所麻酔」です。手術する範囲に直接麻酔薬を注射し、手術の痛みを緩和します。麻酔の効果が現れたら痛みはありませんが、麻酔の注射で痛みを感じてしまいます。
痛みに対して不安な方は吸入麻酔(リラックス麻酔)や静脈麻酔などを併用すると麻酔の痛みを感じることなく手術を受けることができるのでお勧めです。

手術の内容・方法

反転剪刀法の手術の方法について具体的にご紹介します。

  1. デザイン

    反転剪刀法におけるデザインというのは、切開するライン、皮膚を剥離する範囲に印をつけます。

  2. 麻酔の注射

    切開する部分、皮膚の剥離範囲全体に局所麻酔の注射を打っていきます。反転剪刀法の手術で痛いというのは麻酔の注射の痛みです。麻酔の時間はわずか数分ですので十分我慢できると思います。不安な方は静脈麻酔や吸入麻酔(リラックス麻酔)の併用をお勧めします。吸入麻酔だけでもかなり痛みの感じ方は違いますよ。

  3. 皮膚の切開・剥離

    麻酔の効果を確認したらデザインで描いた切開ラインを切開します。そうして皮膚を剥がしていきます。皮膚をペラペラの状態にします。

    皮膚剥離は層を一定にすること、汗腺がギリギリ見える層で剥がすことが結果に影響しますので、医者の経験と器用さ、丁寧さなど技術の差が出てしまう大切な部分です。

  4. アポクリン汗腺の除去

    皮膚を裏返すとポツポツとしたアポクリン汗腺や毛根部分が見えます。あとはひたすらハサミで丁寧にこれらを切除して取り除きます。

    細かく丁寧な医者であれば大量の汗腺を取り除いてくれるので高い効果を実感することができます。取り除く量は手術時間に比例すると十分考えられますので、カウンセリングの際は手術時間を確認しましょう。

  5. 傷の縫合

    汗腺を取り終えたら洗浄しキレイに洗い流し、傷を丁寧に縫合します。

  6. ドレナージ・皮弁処理

    この手術はどうしても出血してしまいます。そのため血液やリンパ液を溜め込まないように皮膚をドレナージの穴を開けます。そうして剥がした皮膚が元の状態の位置で引っ付くように皮弁処理と言って数カ所糸で固定します。

  7. ドレッシング

    最後にドレッシングと言って俵状にまとめたガーゼを剥離した部分に糸でしっかりと固定します。これで手術は終了です。

術後の経過

腋臭の手術「反転剪刀法」の術後の経過、過ごし方についてご紹介します。

手術直後・当日

手術直後は脇の下にタイオーバーと呼ばれるガーゼの束を縫い付けているので腕を挙上することはできません。タイオーバーの上からテーピングや包帯を巻いている状態です。
痛みは帰宅してから感じてくる可能性はあります。心配であれば術後に渡される内服薬を帰宅前にあらかじめ飲んでおくことで痛みを緩和することができます。

翌日〜3日後

腕は挙上できない状態です。衣服の着脱が困難ですので、ゆとりのある前開きのシャツなどが良いでしょう。翌日検診を実施するクリニックもありますので医師の指示に従ってください。もし痛み止めを飲んでも効果が弱い場合は医師にその旨伝え、増量するなり、他の薬剤に変更するなどしてもらいましょう。状態としては3日間変わることはありません。

4〜7日後

ほとんど痛みを感じることはありません。腕はまだ固定している状態ですので挙上することはできません。慣れてくることで少しずつ腕をあげてしまう方がいるのですが、意識して挙上させないよう注意しましょう。
抜糸は7日後ですが、状態によっては半分の糸だけ抜糸し、様子を見る場合もあります。その場合、残った糸は10〜14日後に抜糸します。

7〜14日後

タイオーバーも外れ、傷を縫っていた糸もありませんので自由に動けるようになります。しかし、いきなり動かすようなことはしない方が良いでしょう。腕の挙上は少しずつ広げていくことが望ましいです。

1ヶ月後

手術の効果は出ていますし、実感することができます。腕を挙上する動作は問題ありませんが、少しまだ違和感が残っている可能性があります。痛みなど生活への支障はありません。傷跡はまだ赤みも強く、少し硬さが残っている状態です。

3ヶ月後

仕上がりの状態です。腕の動作などもスムーズでしょう。色素沈着が残っていている可能性はありますが。脇の下なので気になることは無いと思います。傷跡の赤みや色素沈着というのは月単位で少しずつ軽減していくのでご安心下さい。

医師による最終チェックもこの頃だと思います。気になる点などがあれば積極的に医師に伝えましょう。

ここでご紹介する経過はクリニックによって違いもありますし、個人差もあります。あくまで一般的な経過であり、内容がすべてあなた自身に当てはまる訳ではありません。

手術のリスク・問題点

腋臭症の手術「反転剪刀法」の手術のリスクですが、傷跡が目立ちやすいことが挙げられます。この他にも下記のようなリスクが存在します。

反転剪刀法のリスク①効果不足

術後に臭いが減ってない、効果が少ないという場合があります。アポクリン汗腺の除去が不十分であったり、元々、治療適応ではなかったということが考えられます。反転剪刀法は手術適応があり、適切な手術が行われていれば確実な効果を実感することができるはずです。アポクリン汗腺の除去が不十分であれば再手術によって修正は可能ですが、適応がない方などでは手術そのものが無意味だった可能性が高いです。

  • アポクリン汗腺の除去不足、まだまだ残っている場合
  • 腋臭の手術適応ではなかった場合

このようなトラブルを回避するためにはセカンドオピニオン、複数の医師による治療適応の判断してもらうこと。いくらなんでも複数の医師が手術適応を見誤るということは無いでしょう。

反転剪刀法のリスク②傷跡が目立つ

反転剪刀法の手術は普通に切開した傷を縫うのとは違い、皮膚を広範囲に剥がした状態で縫合するため傷が開いてしまったり、血流不足によって縫合不全に似た状態になってしまうことで傷跡が目立ちやすい傾向にあります。傷跡を目立たせないように皮膚を厚めに剥離してしまうと取り除くべき汗腺の量が減ってしまう可能性があるため、そのバランスが非常に難しいのが反転剪刀法の難しさでもあります。

ただし、傷跡については時期をみて修正することもできますので過度に心配する必要はないでしょう。注意しておくことは、傷跡修正を受ける場合、その費用は保障として手術費用に含まれるのか、それとも別途費用として発生するのか確認しておきましょう。

反転剪刀法のリスク③感染

頻度としてはかなり少ないのですが、感染のリスクはあります。場所が場所なだけに感染のリスクは高くなります。強い痛みや腫れ、膿が出るなどの症状があれば感染の可能性が高いので主治医の診察を受けましょう。

反転剪刀法のリスク④術後制限が大きい

反転剪刀法は術直後よりガーゼを体に縫い付けて固定することが多いです。理由は皮膚を剥がしているため、その皮膚を元の状態に戻すためにしっかりと圧迫固定する必要があります。そのガーゼを束ねたものをタイオーバーと呼ぶのですが、タイオーバーは1週間しっかりと固定します。その期間、腕を挙げることはできませんので行動制限が発生してしまいます。

※クリニックによっては縫い付けずにテーピングし、包帯で固定する場合もあります。

PRICE

反転剪刀法の料金

腋臭の手術「反転剪刀法」は腋臭の手術の代表的な治療法の一つ。一部の皮膚科、形成外科さんなどでは保険診療で実施しているところもありますが、多くのクリニックでは保険外、自由診療の範囲で手術を行っています。そのためクリニックによって費用はバラバラですので十分注意が必要です。

反転剪刀法:4050万円

私たちが調べた29の美容クリニックの反転剪刀法の手術費用の相場は40〜50万円です。もちろん、総額100万円を超すクリニックもありましたが、その価格に見合った治療ではないと思いますし、手術の難易度や修正手術や傷跡形成のリスクを考えると40〜50万円と考えています。

CHOICE

クリニックの選び方

クリニック選びのポイントはホームページでは不十分です。必ずカウンセリングを受けてその上で判断することが大切です。

クリニック選びのポイント
  • 手術時間は短くないですか?
  • 医師の経歴・経験は十分ありますか?
  • 料金は適正ですか?
  • 術後の保証内容を確認しましょう。
  • 必ずセカンドオピニオンを受けましょう。

反転剪刀法の場合、手術時間をチェックするのは実は大事なんです。医者の起用、不器用ということで手術時間に違いがあることは間違いありません。しかし、それ以前に短時間で手術が終わってしまうようなクリニックの場合、汗腺の除去が不十分になるリスクが高くなってしまいますよね。なので反転剪刀法の場合、手術時間をチェックするということは意味のあることなんです。
経験上、1時間以内で終わるというのは要注意です。

Q&A

反転剪刀法に関する質問集

腋臭の手術のこと、術後の経過など不明な部分をQ&A形式でお答えしています。これから反転剪刀法の手術を検討している方は是非参考になさって下さい。

傷跡が心配です。汚くなる可能性はありますか?
傷跡ですが、傷は体質の問題、術後の固定・圧迫の影響、アポクリン汗腺の除去量や手術の丁寧さなど複合的な要素が組み合わさってしまいますので一概には言えません。
正直言ってこの手術は丁寧に細かくやればやるほど傷跡がひどくなるリスクが高くなるものです。傷跡については一定の汚さは仕方ない部分もあるということは理解した上で治療することが良いと思います。
確かに傷跡は気になるでしょう。しかし、腋臭の臭いへの効果は反転剪刀法がもっとも効果的です。なのでワキガでお悩みであれば傷跡以上に得られる満足度は高いので手術を受けるということは有効です。また、傷跡については将来的に修正することである程度までは目立たなくすることはできます。
手術は怖いのでミラドライを考えています。でも効果についてはほとんどなかったという口コミを目にしてしまうとやっぱり手術かなって思います。絶対に失敗したくありません。本当のところを知りたいです。
ミラドライの効果ですが、反転剪刀法の効果に比べれば圧倒的に劣りますし、重度の腋臭症の場合ですとそれほど効果を感じないケースが多いです。また、再発してしまったというケースも多いので、腋臭の根治術であればやはり『反転剪刀法』に頼らざる得ません。
ミラドライを導入しているクリニックでも、まずはミラドライで導入し、1クール実施し、効果に満足できなかったら反転剪刀法を勧めるという流れがありますので、効果と満足度ということを考えるのであれば選択肢としては”反転剪刀法”になるでしょう。
ダウンタイムがクリニックによって違います。同じ手術でも違いがあるのはどうしてですか?
ダウンタイムの違いですが、医師の考え方や術後のドレッシング・圧迫固定の期間の差によるものです。反転剪刀法の場合、汗腺がある範囲の皮膚を一度剥がして、汗腺を取り除いた後に引っ付けますのでその固定をしっかりとしたいという医師は固定期間が長くなってしまいます。基本的には固定は長い方が良いので固定及びダウンタイムは少し長めで考えておくことが良いと思います。
吸引法と反転剪刀法で迷っています。どっちが良いんでしょうか?
効果だけを考えるのであればやはり反転剪刀法にまさる治療はありません。比較的軽めのワキガであれば吸引法で満足できますが、強い臭いを伴うワキガの場合は、やはり反転剪刀法をお勧めします。
ボトックス注射で腋臭が治るって聞いたんですが、手術とどっちが有効ですか?
以前、一部のホームページなどで腋臭の治療としてボトックスが紹介されていましたが、ボトックスで腋臭が治るということはありません。ボトックスで有効なのは多汗症、脇汗を止めること。ワキガの臭いを抑える効果はありません。なので腋臭の治療としては反転剪刀法や吸引法など外科的な手術が必要となります。